ぎロチンの夢で目が覚めた。きっと、昨日から始まった、フランス政府のコロナウイルス対処の徹底ぶりに圧倒されたからだろう。朝一番で政府から各個人宛に、SMSで外出規制の連絡があった。正式声明の数時間後、お昼12時過ぎから規制開始。買い物や健康のための運動にも規定の外出許可書必須。出勤がどうしても必要な場合も証明が必要。そして、本当に外に人がいなくなった。なぜならば、警察に問われて適切に返答できなければ、4500円から15000円相当の罰金が課されるから。
日本にいるときは、長年文部科学省の第3セクター委託事業先として、NPOでシンクタンクの様な仕事をしていたから、社会構造に関して特に興味深い。モロッコ チュニジア アルジェリア系等の元植民地の移民は、フランス人と同様の公的サービスを受けられる。特にこの3国の人たちととフランス人の歴史は古く、フランス人とのハーフ2世や3世の子どもを育てる家庭は身の回りにたくさんいる。
一方で、中学校の数ヶ月だけ、母親と娘でフランスに来て、数ヶ月間を観光のように過ごして、自国へ帰る子どもたちもそこそこいる。基本的にフランス語特設クラスに入るけれど、15,16歳で結婚して子どもを産むのが平均的なアルジェリアの娘たちはあまり勉強に関心もないようで、近代的なフランス文化のおしゃれを楽しんだり、給食でのフランス食試食などがメインのよう。
彼らは、文化レベルが違う国から来るから、あきらかに価値観が違う。先日、フランス人の音楽学校の先生ともめた時に、モロッコの男性が間に入ってくれて、ここは近代文化の地だから人間関係が複雑でコントロールが多いんだ、価値観を合わせるまで大変だけど気を落とさないようにとなぐさめてくれた。恋愛も多種多様で、こんな風に言ってくれる素朴でハンサムな田舎ボーイと、質素なフランス女性とのカップルも昔から結構あるようだ。
ここ3年くらいはアフリカからくる黒人急増中。直毛にするのはもはや黒人女性のスタンダードのようで、そういったお店をここ2年でたくさん見かけるようになったし、黒人とフランス人のカップルも一般的に見かけるようになって久しい。ボートでの釣りの付添いなど、安い時給で雇われるタイやベトナム人の家族移住も増えている。中国人やインド人はバカ高い学費のアメリカンビジネススクールへどんどん入学している。
ルーマニアやポルトガル、イタリアなどの近隣国からフランスの生活レベルの方がいいのではないかと、移住してくる人も定番だし、ロシアから玉の輿を夢見て移住を試みる女性も意外と多い。もちろん、ほとんどの移民ははじめはフランス語を話さない。話はじめても、誰しもなまりがひどいから、慣れてくるとなまりでどこの国出身かわかることも多い。
こんな多民族を抱えてのコロナウイルス対策は実に簡単でないことで、ものすごい数の警察官が動員されているのが肌でわかるくらい。それでも、革命があった国の国民は政治への関心の意気込みがスゴいから、政府は成果を出すのに必死なんだなとひしひしと感じる。